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『空母いぶき』の敵はどこの国?原作と映画での設定の違いと舞台を徹底解説!

空母いぶき 敵 どこ 漫画・アニメほか

かわぐちかいじ先生原作の大人気漫画を実写化した映画『空母いぶき』。近未来の日本を舞台に、国籍不明の武装集団による突然の武力攻撃と、それに立ち向かう自衛隊の姿を描いた本作は、その緊迫したストーリーで多くの注目を集めました。

物語の核心となるのが、日本に攻撃を仕掛けてくる謎の「敵」の存在です。「あの敵は一体どこの国なのか?」「戦闘の舞台は日本のどのあたりなのか?」といった疑問は、多くの視聴者が抱いたことでしょう。

この記事では、映画『空母いぶき』に登場する敵の正体、そして物語の舞台となった場所について、原作漫画との設定の違いを比較しながら、その背景にある意図も考察し、徹底的に解説していきます。

結論から解説!映画と原作で全く異なる「敵」の設定

まず、多くの読者が最も知りたいであろう結論からお伝えします。映画版と原作漫画では、物語の敵となる勢力の設定が大きく異なっています。この違いを理解することが、作品を深く味わうための重要な鍵となります。

比較項目映画版原作漫画版
敵の名称東亜連邦(架空の国家連合)中国(作中では「C国」などと表現されるが、明確に中国を指す)
主な戦闘舞台波留間群島(架空の島々、日本の南方に位置)尖閣諸島与那国島など(実在する日本の南西諸島)
設定の傾向現実世界から切り離されたフィクション性の強い設定現実の国際情勢を色濃く反映したリアルな設定

このように、映画では敵の国名も戦闘の舞台も「架空」のものに変更されています。この設定変更が、映画版の評価や観客の受け止め方に大きな影響を与えることになりました。

映画版の敵「東亜連邦」とは?

それでは、映画版の敵について、より詳しく見ていきましょう。

架空の国家連合「東亜連邦」

映画版で日本に敵対するのは、「東亜連邦」と名乗る国籍不明の武装勢力です。劇中の描写から、これは特定の単一国家ではなく、複数の国家からなる連合体であることが示唆されています。

なぜ架空の存在として描かれたのか?

原作とは異なり、なぜ映画では敵を架空の存在として設定したのでしょうか。その背景には、いくつかの理由が考えられます。

  • 国際関係への配慮
    特定の国を敵として名指しで描くことは、外交的な問題に発展するリスクを伴います。幅広い観客に観てもらう商業映画として、そうしたリスクを避けるための判断があったと推測されます。
  • 物語の普遍化
    敵を架空の存在にすることで、「特定の国との争い」ではなく、「平和を脅かすあらゆる脅威」という、より普遍的なテーマとして物語を描こうとした意図があったのかもしれません。

現実世界のモデルは?

「東亜連邦」は架空の存在ですが、その装備や行動パターンからは、現実世界の特定の国家、特に中国ロシアの軍事力が強く意識されていることが見て取れます。彼らが運用する空母や戦闘機は、これらの国々が保有する兵器に類似しており、その軍事行動も、現代の地政学的な緊張を反映したものとなっています。

戦闘の舞台となった架空の島「波留間群島」

映画の主な舞台となるのは、日本の最南端に位置するとされる架空の島々「波留間群島」です。物語は、この群島の一部である「初島」を東亜連邦が突如として占領したことから始まります。この「波留間群島」は、日本の広大な排他的経済水域(EEZ)を象徴する場所として設定されています。

原作漫画版の敵「中国」とリアルな舞台設定

一方で、原作漫画では、映画版とは対照的に、非常にリアルな設定が貫かれています。

明確に描かれる敵としての「中国」

原作漫画で日本の脅威となるのは、紛れもなく中国です。作中では直接的な国名表現を避けつつも、登場する艦艇や航空機の名称、軍事ドクトリン、そして領有権を巡る主張など、あらゆる描写が現実の中国軍をモデルにしていることを明確に示しています。

なぜ実在の国を敵として描いたのか?

かわぐちかいじ先生が原作で実在の国家を敵として描いたのは、現代日本が直面している安全保障上の課題を、読者に真正面から突きつける意図があったからでしょう。フィクションでありながら、「これは現実に起こりうる未来かもしれない」という強烈なリアリティと緊張感を生み出すことに成功しています。

戦闘の舞台は現実の「尖閣諸島」

原作の物語が展開する舞台も、映画版とは大きく異なります。主な戦闘海域となるのは、実際に日本と中国が領有権を巡って対立している尖閣諸島や、日本の最西端に位置する与那国島周辺です。

実在の地名を舞台に設定することで、物語は単なる架空戦記ではなく、読者自身の問題として捉えられる、重厚な政治・軍事シミュレーションとしての深みを持つことになりました。

なぜ映画では敵の設定が大幅に変更されたのか?

この原作からの大幅な設定変更は、映画『空母いぶき』の評価を語る上で避けては通れないポイントです。

商業映画として、より多くの観客に受け入れられるための判断であったことは想像に難くありません。しかし、その結果として、原作が持っていた最大の魅力である「現実と地続きの危機感」が大きく損なわれてしまったことも事実です。

「架空の国」と「架空の島」を舞台にしたことで、物語の緊張感が削がれ、テーマ性がぼやけてしまったと感じた原作ファンやミリタリーファンは少なくありませんでした。この点が、映画版が賛否両論を呼んだ大きな要因の一つと言えるでしょう。

映画『空母いぶき』の敵に関するよくある質問

映画『空母いぶき』の敵はどこの国ですか?

映画版の敵は「東亜連邦」という架空の国家連合です。特定の国を名指ししてはいませんが、その装備や行動からは、中国やロシアといった現実の大国の軍事力がモデルになっていると考えられます。

原作漫画の敵は誰ですか?

原作漫画で敵対するのは、明確に「中国」をモデルとした勢力です。尖閣諸島を巡る領有権問題を背景に、現実の国際情勢を色濃く反映した物語が展開されます。

なぜ映画では敵の名前が架空のものに変更されたのですか?

特定の国を敵として描くことによる外交的なリスクや、さまざまな方面への配慮があったためと考えられます。また、物語を特定の国同士の争いに限定せず、より普遍的なテーマとして描こうとした制作側の意図もあったと推測されます。

戦闘が行われた場所は日本のどこですか?

映画版の舞台は、日本の南方に位置するとされる架空の島々「波留間群島」です。一方で、原作漫画では、実際に領有権問題が存在する「尖閣諸島」や「与那国島」といった、日本の南西諸島が主な舞台となっています。

まとめ

映画『空母いぶき』に登場する「敵」の正体と、物語の「場所」について解説しました。

項目映画版原作漫画版
敵の正体架空の国家連合「東亜連邦」現実の「中国」をモデルとした勢力
物語の舞台架空の島々「波留間群島」実在の「尖閣諸島」「南西諸島」

映画版では、さまざまな配慮から敵と舞台が架空の設定に変更されましたが、この変更が原作の持つリアリティやテーマ性を損なう一因となり、作品の評価を大きく左右する結果となりました。

この原作と映画の「敵」設定の違いを理解することは、『空母いぶき』という作品が投げかける「日本の安全保障」という重いテーマを、より深く、そして多角的に考えるための一助となるでしょう。

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