阿部智里先生による壮大な和風ファンタジー「八咫烏シリーズ」。その第二作目であり、アニメ化もされたことで大きな注目を集めている『烏は主を選ばない』。物語の中心となるのは、次期「金烏(きんう)」の座を継ぐ若宮・奈月彦の后選びです。個性豊かな四家の姫君たちの中から、若宮は最終的に誰を選ぶのか?そして、もう一人の主人公である雪哉の恋の行方は?その結末は、多くのファンが気になっていることでしょう。
この記事では、そんな『烏は主を選ばない』の登場人物たちが、最終的に誰と結ばれるのか、原作小説の結末を基に、若宮や雪哉、そして四家の姫たちの運命を徹底的に解説していきます。
若宮が最終的に結ばれる相手
多くの読者が最も知りたいであろう結論からお伝えします。物語の中心であった后選びの末、若宮・奈月彦が正室「桜の君」として迎えるのは、南家の姫・浜木綿(はまゆう)です。
后選びの意外な結末
物語では、東家、西家、南家、北家からそれぞれ姫が若宮の后候補として集められますが、その選考は単純なものではありませんでした。宮中で渦巻く陰謀や、各家の思惑が複雑に絡み合い、后選びは誰もが予想しなかった意外な結末を迎えます。
最終的に、浜木綿は南家から絶縁される形で「元南家の姫」として若宮に嫁ぐことになります。これは、彼女を政治の道具として利用しようとした南家との決別を意味し、若宮と浜木綿が純粋な絆で結ばれたことを象徴する出来事でした。二人は幼馴染でもあり、その間には深い信頼関係があったのです。
物語の後半で描かれる若宮の死
若宮と浜木綿の結末を語る上で避けて通れないのが、原作シリーズの後半で描かれる若宮の死です。彼は敵対勢力の陰謀によって命を落としてしまいます。しかし、彼の死後、浜木綿は忘れ形見となる娘・紫苑の宮を産み、彼の遺志と血脈を未来へと繋いでいきます。
后選びに参加した姫たちのその後の結末
若宮に選ばれなかった他の姫たちも、それぞれに異なる道を歩むことになります。
東家の姫・あせびの結末
無邪気で天真爛漫な振る舞いの裏に、独特な価値観を隠していた東家の姫・あせび。彼女は若宮の后にはなれませんでしたが、その後、若宮の父である上皇・捺美彦(なつみひこ)の后となり、男の子(凪彦)を産みます。結果的に、彼女は別の形で皇室の中枢に関わることになりました。
北家の姫・白珠の結末
気高く、后になることを強く自覚していた北家の姫・白珠。しかし、彼女の心の中には、幼馴染である庭師の一巳(かずみ)への秘めた恋がありました。后選びの騒動の末、彼女は若宮の後押しを受ける形で、皇室を離れ、愛する一巳と共に生きる道を選びます。
西家の姫・真赭の薄の結末
才色兼備で、后の器として最も有力視されていた西家の姫・真赭の薄(ますほのすすき)。彼女もまた若宮に想いを寄せていましたが、その恋が叶わないことを悟ると、出家して若宮の后となった浜木綿に仕える道を選びます。その後、長年彼女に想いを寄せていた若宮の護衛・澄尾(すみお)と、身分差を乗り越えて結ばれることになります。
もう一人の主人公・雪哉は誰と結ばれるのか
『烏は主を選ばない』のもう一人の主人公であり、若宮の腹心となる雪哉。彼の恋愛の行方も、多くの読者が気になるところです。
結論として、原作第一部が完結した時点では、雪哉には特定の恋人や結ばれる相手はいません。
物語の中で、彼は猿の襲撃から救った少女・小梅など、いくつかの出会いを経験します。しかし、彼の忠誠心と人生は、すべて主である若宮と、山内(やまうち)の世界を守ることに捧げられています。彼の「主」は若宮ただ一人であり、恋愛が彼の物語の中心となることはありませんでした。
『烏は主を選ばない』の恋愛関係に関するよくある質問
八咫烏シリーズは完結していますか?
2025年11月現在、第一部が全6巻で完結しており、第二部が刊行中です。物語全体としてはまだ完結していません。
朔王の正体は何ですか?
「朔王」とは、八咫烏たちが住む山内の地下街を統治していた人物の称号です。物語に登場する朔王の正体は、かつて谷間を改革した伝説の人物であり、彼の後継者として「鵄(とび)」が地下街をまとめています。
若宮はなぜ死亡したのですか?
原作小説の後半(『弥栄の烏』)で、敵対する貴族たちの陰謀による暗殺計画に巻き込まれ、実の妹である藤波の宮に刺されたことが致命傷となり、命を落としました。
雪哉と若宮の関係はどうなりますか?
雪哉は、若宮の唯一無二の腹心として、最後まで彼に忠誠を誓い続けます。二人の関係は単なる主従を超えた、固い絆で結ばれており、恋愛関係に発展することはありません。
まとめ
八咫烏たちの世界で繰り広げられた、后選びの物語。その結末をキャラクターごとに整理しました。
| キャラクター | 最終的に結ばれた相手 |
|---|---|
| 若宮・奈月彦 | 浜木綿(南家の姫) |
| あせび(東家の姫) | 捺美彦(若宮の父) |
| 白珠(北家の姫) | 一巳(庭師) |
| 真赭の薄(西家の姫) | 澄尾(若宮の護衛) |
| 雪哉 | 特定の相手とは結ばれない(若宮への忠誠を貫く) |
若宮の后選びを軸に、それぞれのキャラクターが自らの愛と運命を見つけ出していく様が描かれました。特に、主人公である雪哉が恋愛ではなく、主君への忠誠という道を選んだことは、この物語が単なる恋愛ファンタジーではないことを象徴しています。
アニメで描かれたのは、この壮大な物語の序盤に過ぎません。彼らのその後の運命が気になる方は、ぜひ原作小説を手に取ってみてはいかがでしょうか。





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